子育て中に直面した子どものアトピーにどう向き合う?ある改善方法にたどり着き奮闘中の体験談
子育て中は思わぬ壁にぶつかることがあるもの。ここでは、私が直面した子どものアトピーにどのように向き合ったのか、さまざまな情報から模索してたどり着いた私なりの改善方法などを綴ります。
首のところに斑点が…アトピーの兆候が現れる
息子にアトピーの兆候が現れたのは2歳の誕生日を迎えた頃。生後数ヶ月の頃に一時的に乳児湿疹で少し肌が荒れたものの、それ以降は全身ぷるぷるのもち肌をキープしていたのでアトピーとは無縁だと思っていました。
ある日ふと首のあたりを見ると、2、3㎝ほどの楕円形の斑点があったのです。「何だろう?」と思っているうちに、日に日に胸のあたりに広がり、肘の内側や膝の裏側にも湿疹のようなものができました。その頃、息子が高熱をだして職場から近い小児科を受診したとき先生に相談すると、特に何も言われずチューブ型のステロイド軟膏を処方されたのです。ステロイドには抵抗があったものの、乳児湿疹のときにも少量使って改善したので使うことにしました。
ステロイドを塗るとすーっと症状がおさまったので、とりあえずステロイドはやめて白色ワセリンを塗っていました。そして数日後には症状が悪化するのです!夜中も掻きむしったのか、特に肘の内側がひどく、ジュクジュクして血がにじみでていて目もあてられないほどでした…。
ステロイドは使いたくない!脱ステロイド方針の皮膚科を受診
このときはまだアトピーだとは思っていませんでしたが、「ステロイドはなるべく使いたくない!」と、すぐにステロイドを処方しない病院はないかとネットで検索しました。すると、広島市内にある脱ステロイド方針の皮膚科を発見。自宅からは少し遠かったものの、「ここだ!」と思いすぐに受診しました。
すると、先生から「アトピーだね」と言われて私は絶句しました。アトピーといえば私の中では「治らない、かゆくてたまらない、皮膚に特徴的な痕が残る」というイメージがあったからです。そしてステロイドを常用する怖さも何となく感じていました。
その病院では、長い期間ステロイドを使用することでどうなっていくか、保湿剤を使うことで肌が弱くなることなど、脱ステロイドと脱保湿の重要性を教えてもらいました。また、積極的に運動することや入浴を控えて石鹸を使わないこと、和食中心の食事など生活面での指導も積極的に行っていました。
息子に処方されたのは、ジュクジュクした箇所に塗る非ステロイドの亜鉛華軟膏と一番弱いタイプのステロイド。私は、この病院の方針通りなるべくステロイドを使わずに治す!と決意したのです。
夜中に掻きむしる息子…小児科で処方されたステロイドに心が折れる
処方されたステロイドは使わずに亜鉛華軟膏のみを使い数日後に受診すると、症状はだいぶ良くなっていました。私はてっきりこのまま治るのだろうと考えていましたが、そうはいかないものです。
アトピーは改善と悪化を繰り返すのも特徴のひとつのようで、1ヶ月が経ったころには湿疹が広がり悪化していました。息子は顔には症状が現れていなかったものの、胸元からあごのあたりまで症状が広がっていたので、ひと目で分かるほどでした。その当時は、外出時に人の視線が気になり、友人や知人が「早くよくなるといいね…」と心配そうに子どもを見つめられるのが辛かったのを思い出します。夜中になると、「かゆいかゆいーー!」と掻きむしりながら泣くことも多くなり、途方に暮れる日々でした。
ある日、久々にかかりつけの小児科を訪れたとき、息子のアトピーを見た先生から「亜鉛華軟膏じゃあだめだよ。ステロイドをだしておくね」と、ステロイドを処方されました。処方されたステロイドは強さの違う2種類で保湿剤が混合されたもの。「ステロイドは使わない!」と心に決めていましたが、このときばかりは心が折れて「とりあえず今の症状が改善するなら…」と使うことにしたのです。
このままでいいの?模索してたどり着いた予想外の原因と改善の兆し
指示通りにステロイドを使っていると、確かにかゆみが治まったり症状がやわらいだりします。しかし、ステロイドの副作用からか特に膝の裏側は皮膚が薄くなり赤みを帯びた状態が続いていました。「やっぱりステロイドには頼りたくない、何か別の方法があるはず!」と思い、ネットでいろいろと検索してみました。
ネットには、ステロイドに対する賛否両論の意見や保湿が重要、保湿は不要など180度異なる情報があふれていて何を信じていいのか分かりません。そこで私は、実際に治った人が書いたブログを参考にしよう!と思ったのです。
そしてたどり着いたのが、実際に自分の子どものアトピーを治したママが書いた漫画。「これだ!」と確信してネット版を購入し読んでみると、なんと半月でアトピーが消えたという内容に衝撃を受けました。
その漫画によると、アトピーの原因物質は植物油に多く含まれるリノール酸で、卵や乳製品などのたんぱく質を過剰に摂ることによって症状が発生するのだそうです。そして、魚の油には炎症を抑える物質が含まれているので積極的に摂ること、段階的に除去食を続ける、ステロイドは必要に応じて使うなど改善策も細かく紹介されていました。
植物油が原因というのは初めて聞いたので意外でしたが、「とにかく実践してみよう!」と思い、植物油を避け、毎日魚を食べさせることを続けてみました。すると、な、なんと半月ほど経ったころ、掻きむしってカサブタになっていたところや赤みを帯びていたところなどがすーっときれいになっていたのです!このときの喜びは忘れられません。やっと改善の兆しが見えた瞬間でした。
とはいっても、揚げ物やパン、お菓子など油が含まれた食べ物が大好きな年頃。外食することもあるし完全にダメ!というわけにもいきません。油物を摂取して症状がでては後悔して魚料理を増やして軌道修正…ということも多々ありました。
2歳でアトピーと診断され3歳半になった息子は、今はたまにかゆがることがある程度で、ステロイドもほとんど使わず適度に保湿をしている状況です。保育園でのお昼ご飯にはほぼ毎日油を使った料理があるので、夕食は基本的に油を使わず魚料理がメイン。時々ぽつぽつと症状が現れるものの、落ち着いた状態をキープしています!
あふれる情報から親としてできることを選択
改善と悪化を繰り返すのが特徴のアトピー。最初はまるで出口の見えないトンネルのように感じていました。アトピーに関する情報は山のようにあり、病院によって処方される薬や指導内容もさまざま。あふれる情報のなか何が真実か分からず困惑した時期もありましたが、アトピーは対症療法だけでなく食事など内側からの根本原因に気づき見直すことが大切だと私なりに実感しました。まだまだアトピーと闘いながらの子育ては続きそうですが、親としてできることを最大限していき、完治を目指したいと思っています。
担当ライター