陣痛より痛い?妊娠中に痔主になった私が産後に治療するまで
初めての妊娠中、私の体では我が子が育つ一方で、もうひとつ育っていたものがありました。それが通称「いぼ痔」!しかし出産するまでにできる治療法はありません。妊娠中にまさかの痔主になった私の、治療までの体験をお話しします。
妊娠中のお尻に違和感!これが痔主への歩み
私がアレのことを自覚したのは、そう妊娠後期に入ってからのことです。当時はトイレのあとに時々お尻に違和感があったのですが、ある日思い切って触ってみたのです。
「ギャー!!!なんじゃこりゃー!」と青くなったのを覚えています。私のお尻からは、なにか小指の先ほどの大きさのものが突出していました…。その後、ネットを駆使して検索&検索。結果、どう調べてもその症状は「痔」らしいのです。あとから知ったのですが、妊娠中に痔になる人は多いのだとか。
「これが通称、いぼ痔ってやつですか」と、少しガックリしましたが「放っておいても悪化しなければ、どうってことない」と開き直って生活していました。
我が子と共に成長を重ねるGさま
妊娠9月頃になると、トイレのあとには毎回のように顔を出すアレ。「いぼ痔」という言葉で呼びたくなかった私は「と名付けて経過観察をしていました。我が子が大きくなるのと比例してGさまも顔を出す頻度が多くなっていき、臨月のときには大きなお腹に圧迫されて隠れていることが叶わなくなったのか、ほぼ毎日顔を出したままの「こんにちは状態」になっていました。
放っておくしかないのでそのまま出産へ…超激痛
臨月になり、毎日顔を出すGさま。触ってみると、ちょっと前まで小指の先ほどだったのに、人差し指の先くらいに成長している様子。さすがに焦った私は、産院で相談しました。しかし、やはり妊娠中には本格的な治療をするのは無理とのこと。気休めに塗り薬を処方してもらうことしかできませんでした。結果、そのままの状態で出産に挑むことになったのです。
出産…Gさまは?
Gさまをお尻に抱えたまま、とうとう出産の日が来ました。Gさまは出産のとき、どうなってしまうのだろうと不安でしたが、事前にネットで調べた感じでは「出産の刺激ですごく腫れた」という情報の一方で「出産中に痔の部分を助産師さんが押さえていてくれた」などの情報がありました。
では、実際に私の時はどうだったかというと、出産時のGさまはものすごく痛みました。今までGさまから痛みを感じるようなことはなかったのですが、やはり出産が刺激になったのでしょうか。ネットの情報にあったように出産時には助産師さんが抑えてくれていたように思います…思うのですが、押さえることにどんな意味があるのかわからないくらい痛すぎました!
あくまで、私個人の場合ですが、陣痛をこらえているのか、Gさまの痛みをこらえているのかもう不明という感じでした。
いざ、「いきんで!」と言われても、力を入れるとGさまが痛むので、痛みのせいで100%の力を出せず踏ん張りがきかなかったです。結局、最後は踏ん張り切れず吸引分娩になったのでした。
出産した翌日は、会陰切開の傷とGさまの腫れにより、立ち上がるのも座るのもすべてが恐怖!私は誓いました。「この痛み、忘れてなるものか。もし次の妊娠を考えるときには必ずGさまを治療するぞ」と。
産後、ついに恥を忍んで肛門科へ!
出産後しばらくはGさまの腫れは続きましたが、会陰切開の傷が癒えるころにはGさまの存在を感じることはなくなっていきました。ネットで調べてみると「産後には落ち着く」といった意見もちらほら。しかし、もしまた妊娠すると「再発する」との意見も多いのが気になりました。やはり完治させるには、病院へ行くしかないようです。私も夫も2人目の妊娠を望んでいたこともあり、子どもが1歳半を迎えたある日、私は肛門科を診する決意をしたのでした。
天気の話をするかのようにGさまの話ができた!
ネットで調べて、評判の良さそうな広島にある肛門科を受診することに。いざ診察室へ通されると相手がお尻に詳しい専門のお医者さまとはいえ、Gさまの話をするのは気が引けました。しかし、やはり、症状を説明しなければなりません。恥を忍んで話し始めると、さすが専門のお医者さまです。まるで「天気の話をしているのかしら」と思うほど自然な流れで、恥ずかしいと思うことなく症状の話をしたり、説明を受けたりすることができました。
それでも、お尻の症状を確認してもらう瞬間は勇気がいりましたが、出産の経験に比べればなんてことないもののように思いました。症状を確認したあとには、お医者さまがパソコンを使って手書きの肛門部分の絵を描いて図解で説明してくれ、治療方法の説明をしてくれました。治るという希望が湧いて嬉しかったのを覚えています。
そして、最後にお医者さまが「妊婦さんや、産後に相談にこられる方は本当に多いですよ」と教えてくださったので、随分気が楽になりました。
日帰り手術を受けて脱痔主!
もう妊娠しない予定ならGさまは放っておいても良い状態とのことでしたが、私は次の妊娠に備えて完治を望んだため治療することになりました。治療方法は痔の大きさや状態によって異なるとのことでしたが、幸いなことに私のGさまは小さかったため「ジオン注射療法」という、簡単に説明すると「注射を打っておしまい!」という日帰り手術を受けることになりました。
手術までには血液検査をしたり、手術前日までに下剤を飲んだりすることは必要ですが、手術のために入院しなくても良いというのは子育て中には助かります。
手術の様子は
手術は注射1本で済むのですが、局所麻酔と静脈麻酔を併用するため手術中は眠ることになります。当日、手術用の服に着替えて手術室に入り手術台に乗って説明を受けて…それ以降は記憶がありません。目が覚めると終わっていたので、あっという間に感じました。痛みを感じることもありませんでした。
術後1週間後、1カ月後の再診で症状を確認
手術後も、2度ほど受診して経過を診てもらいました。私の場合には、術後3日目には完全にGさまの存在は感じられなくなり、受診して確認した際には「順調に消えています」と言われました。こんなにあっけなく治るんだ…と複雑な思いもありましたが、嬉しくもあり、身が軽くなったように感じられました。
悩んでいるなら一度病院へ
出産時のGさまには悩まされましたが「こんなに簡単に治せるとわかっていたら、もっと早く病院に行ったのに!」と思いました。妊娠中に発症してしまった場合には、早めに対処したほうが悪化させないで過ごせる可能性も大きくなりますし、悪化させない方法なども教えてもらえるかもしれません。もしGさまのことで悩んでいる方がいらっしゃれば、一度ぜひ肛門科で相談してみてください。きっと希望が持てますよ。
担当ライター