自分の子の園はどこが正解?認可保育園・認可外保育園の違いなどについて
保育園を探していると出会う「認可保育園」「認可外保育園」という言葉。多くの働くママたちは聞いたことがあるかもしれませんが、その違いを正しく認識されている方は少ないように思います。
「とりあえず認可保育園に預けたら安心?」「認可外保育園だと危ないって本当?」
一口に保育園と言っても様々な園がある中で、何を基準に選んだらいいのでしょうか?
今回はそれぞれの保育園の特徴や違いについてお伝えします。お子さんに合った素敵な園が見つかる一助となれば幸いです。
そもそも認可保育園と認可外保育園の違いって何?
現在の広島市では、
認可保育園 |
認可外保育園 |
・認可保育園 ・認定こども園(保育園部分) ・小規模保育事業所 ・事業所内保育事業所 |
・認可外保育園 ・企業主導型保育園 |
出典:広島市ホームページ
上記のように保育園の区分があります。
大枠では認可保育園・認可外保育園と分けられていますが、その中でも入園の際の申請の仕方や条件、保育士数や保育面積、助成金の有無など細かく異なっています。
あまり知られていないことですが、企業主導型保育園は認可外保育園に属していながら、認可保育園とほぼ同等のルールで運営しなければなりません。この点を含めて園の違いについてお伝えしたいので、以下の表では3つに分けてご説明します。
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認可保育園 |
企業主導型保育園 |
認可外保育園 |
入園申請 |
市へ行う |
園へ行う |
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保育面積 |
乳児室1.65㎡/人 ほふく室3.3㎡/人 保育室1.98㎡/人 |
1.65㎡/人 |
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保育士数 |
0歳3人に対し1人 1・2歳 6人に対し1人 3歳20人に対し1人 4・5歳30人に対し1人 2名以上配置 |
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食事提供 |
必須 |
持ち込み可 |
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監査 |
認可保育園監査1回 |
児童育成協会監査1回 認可外保育園監査1回 |
認可外保育園監査1回
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助成金 |
有 |
無 |
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保護者就労 |
必須 |
園による |
(企業主導型保育園を運営する身としては認可外保育園というくくりに入っているのは、いまだに疑問を感じています)
そして、先程の表からも分かる通り認可外保育園の基準は低く、死亡事故発生率が高いのは事実です。
参考:「平成 29 年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について
死亡事故の報告件数について、認可保育園(認可保育所)と認可外保育園(認可外保育施設)のデータ(平成 29 年教育・保育施設等における事故報告集計)を見てみましょう。
単純に死亡事故の報告件数で比較すると、認可外保育園が認可保育園の約2倍となっています。そのうえ、保育園数は認可保育園(23,410ヶ所)が認可外保育園(6,923ヶ所)※「平成 29 年教育・保育施設等における事故報告集計」よりも多いので、発生率で考えると認可外保育園での死亡事故の割合が高いと考えられます。
このようなデータから振り返ると、確かに認可外保育園の方が危険だと言われる理由が分かりますね。
子どもと親にとって、一番いい環境を選ぼう
死亡事故の発生率について検証しましたが、とりあえず認可保育園であればどの園でも安心なのでしょうか?
答えは「NO」です。
あくまで[命を守る]ことは、福祉施設において全うされるべき責務であり、そこが目的ではありません。
子どもたちの将来を創る大事な時期に多くの時間を費やす場として、認可保育園、認可外保育園と名前だけで判断するのではなく、入園検討時には必ず見学することをおすすめします。
見学に行った際に一番見たほうがいいのは、保育士さんの印象。そして子どもに対する言葉がけです。少しの時間見ても分からないので、クラスの活動を少し見学させてもらうことがベストです。ふいに出る言葉や子どもへの対応に少しでも違和感があれば、その園へ行っている人にとことんリサーチしてしっかり調べる事をおすすめします。
というのも、保育士の虐待があり得ることはご存知でしょうか?
待機児童が多い現代社会において、保育士確保という保育の「量」が優先され、保育の「質」が追いついていないのが現状で、「質」の向上は急務といわれています。
まさか、虐待なんてあり得ないと思う方もいらっしゃるかと思いますが、保育の現場にいるとそれは紙一重で存在してしまうものと認識しなければなりません。
- 「早く食べろ」と食事を口にいれる。
- わざと足をひっかける。
- 悪いことをしたと暗い部屋へ連れていく。
- 強くひっぱる。
- 子どもの前で堂々と保護者の悪口をいう。
- 「あっちいけ」などと言う。
- なかなか排泄を変えてくれずオムツがパンパンで過ごす。
これは全て実際にあったこととして聞いた話です。(広島の園だけでなく、全国の事例が含まれています)
保育士さんたちも一生懸命過ごしていると、子ども達が「子ども」と見えず大きな存在になっていきます。
子ども達1人1人に個性があり、発達の中での葛藤の表れだと分かっていても、思うように動いてくれない子どもに対し、次第にエスカレートし、虐待が存在してしまうのです。
保育園を選ぶ際には、大切な子どもに決して不幸な想いをさせないために、必ず見学をし、それでも見極められず入園後に違和感があった場合は転園を検討することをおすすめします。
そして何よりも重要なのは保育方針です。
2018年に保育指針が改定されましたが、それ以前は「保育=養護」だといわれていました。
しかし改定後は、保育現場でも教育することが求められており、保育の保は「保護」を表し、保育の育は「教育」を指し示すことへと変わってきています。
ただ教育と一言で言っても、「IQを表す認知能力ではなく、EQとも呼ばれる非認知能力をしっかり育みましょう。」とされています。
まだまだ従来の保育を続けている園も多く、新しい保育指針が浸透していないのも現状です。検討している園が、改定を機に保育方針を改めているかを確認することをおすすめします。
虐待まではいかなくとも、子どもが遊んでいるのをただ見守り、放任する園も多くあるので注意が必要です。
単純に「古い保育園=安心」と妄信してはならないこともお伝えしておきます。
そして、認可外保育園の中にも教育方針が明確にあり、こだわった教育がしたいが故に敢えて認可外保育園という選択をとられている園もあるのでそういった園もおすすめします。
社会性を身に付け、子どもにとってかけがえのない経験を
社会性は親以外の3人の人間がいて、初めて身に付くものだといわれています。
少子化、核家族化が叫ばれる昨今、一番失っているのは子どもたちの社会性が身に付く場かもしれません。そういった面でも保育園の担う責任は大きいものとなっています。
幼少期(6歳)までに、自己肯定感をしっかり育むことで、その後の子ども達の人生は大きく変わります。
親が子どものためにしてあげられるギフトとして、しっかりした教育の行き届いた園を選びましょう。
子どもの個性を伸ばせる園を見つけよう
今回は主に認可保育園・認可外保育園の違いについてお伝えしてきましたが、保育や幼児教育には様々な種類があります。私たち母親にとったら、子どもはかけがえのない存在。お子さんに一番合った環境、そして自己肯定感を大切に個性が最大限伸ばせるような園が見つかるといいですね。
担当ライター