わが子を本好きに!子育てしながら図書館と本屋に通うワケ
「子どものとき、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する」。以前、そんな衝撃的な研究結果が話題になりました。本が好きで「子どもにも同じように本を好きになってほしい!」と常日頃から思っていた私は、その研究結果を聞いて、あらためて子どもが本と自然に親しめる環境を作りたいと感じました。毎日子育てする中で、子どもと本をつなぐために、私が心がけていることや実践していることなどを紹介したいと思います。
紙の本、何冊持ってますか?
オーストラリア国立大とアメリカ・ネバダ大が共同で行なった研究によると、16歳の時点で自宅にあった紙の本の冊数が、その後の読み書き能力や数学の知識、ITスキルの高さに、大きな影響を与えていることがわかったそうです(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/ok-11.php)。
身近に本があれば手に取る確率が上がるだろうな~というのは、私にもなんとなく想像できます。何気なく本を開いているうちにほかの本にも興味がわき、次々と本を手に取るようになれば、わからないことを自分で調べたりする力も身につくことでしょう。それが結果的に学力を向上させるというのも十分に納得できます。
わが家は私も夫も本が好きで、本棚に入りきらない本があちこちに積まれています。この研究結果は、未読のまま積まれた本の山を一気に正当化してくれる、大変都合のいいデータでもありました。とはいえ、ただ本を並べただけではおそらく十分な効果はないでしょう。子どもに本の面白さを伝えるために、わが家でしていることを紹介します。
0歳でも図書館カードは作れる!
子どもを本好きにするための第一歩として、わが家では子どもをよく図書館に連れて行くようにしています。館内には低月齢から読める絵本がいっぱい!読み聞かせの会などのイベントをしていることも多く、子育て世代もたくさん来ているので、多少子どもが騒いでも気まずくなりません。最近は、おむつ替えシートや授乳室を備えた図書館も珍しくなくなり、赤ちゃん連れで気軽に行けるのでうれしいです。図書館によっては大型絵本や紙芝居の貸し出しもしていますよ。
ところで「0歳の赤ちゃんでも図書館の貸し出しカードが作れる」ことをご存知ですか?わが家では子どもが生後数ヶ月のとき、早々と貸し出カードを作りました。手続きは簡単!私が住んでいる広島市の場合、館内備え付けの申込書に名前や住所を記入し、「住所・氏名が確認できるもの」を提示します。赤ちゃんの場合は健康保険証があればOKです。その場ですぐに発行してもらえますよ。
カードがあれば、好きな絵本が借り放題!私は子どもが興味を示した絵本を片っ端から借りるようにしています。全部買えばお金がかかりますが、図書館なら無料です!毎晩のように読み聞かせをしていると、子どもが好む「絵本の傾向」が少しずつわかってきます。わが家では、長男(8歳)が長新太「キャベツくん」とか、谷川俊太郎・大竹伸朗「んぐまーま」など、意味はよくわからないけど、音読すると楽しい作品を好みました。一方、次男(2歳)は宮西達也「おまえうまそうだな」、小風さち・山口マオ「わにわにのおふろ」など、動物が出てくる作品が好きなようです。
大人にも言えることですが、「本の好み」というのは「数」をこなさないと見えてきません。子どもには図書館で「これは面白い」「これはハズレだった」という体験を何度も積み重ねて、自分の読みたい本を探してほしいと思います。
広島が誇る子ども図書館、まんが図書館
広島市には各区の公立図書館のほかに、「子ども図書館」と「まんが図書館」という2つの専門図書館があります。蔵書は「子ども図書館」が約19万冊、「まんが図書館」が約15万冊という圧倒的な規模!利用しない手はありませんよね。
わが家の長男(小学生)は、小さいころいっしょに「子ども図書館」に通っていましたが、学校で漢字を習い自分で本が読めるようになったころ、満を持して(?)「まんが図書館」に連れて行ったところ、大喜びしました。「好きなマンガ」が一つ見つかると、それをきっかけにほかの作品にも興味がわき、飛躍的に世界が広がるようです。
成長すると図書館の利用の仕方も変わります。まずは低月齢のころから「子ども図書館」で本と触れる機会を作り、自分で文字が読めるようになったら「まんが図書館」へ。いずれはまた図書館に戻ってきて「文字の多い本」も読めるようになってほしいなと思っています。
書籍代だけは無制限?
わが家では子どもづれで本屋にもよく行きます。売れ筋の本や新刊本など、図書館ではなかなかわからない情報が得られるからです。特設コーナーで知らない作品を発掘したり、プレゼントを選んだりするときにも役立ちます。
わが家では子どもたちに「毎月1冊、なんでも好きな本を買ってOK!」という約束をしています。絵本や普通の本だけでなく、マンガも可。小さいころは親の判断で選んでいましたが、4~5歳にもなると「これ!」とはっきり意思表示できるようになります。いずれは毎月の冊数を増やして、熱烈な要望があれば「無制限プラン」も考えようと思っています。もちろん、なんらかの条件つき(お手伝いをするなど)になると思いますが、読みたい本を制限なく読める環境を作ってやりたいです。
本を好きになってほしいワケ
今、情報を得る手段は「本」だけではありません。ネットもあるし、人から直接教えてもらう方法だってあります。そんな時代に「紙の本」にこだわらなくてもいいのでは?という意見もありますよね。
でも「ネットで何を調べるか?」とか「人に何を尋ねるか?」が自分でわからないと、たぶん役立つ情報は得られないと思うのです。本は、自分から情報を探しに行くトレーニングを積むためにぴったりのツール!これからも子育てする中で、本を活用していきたいです。
担当ライター