広島県外での出産!夫は産婦人科に間に合うのか?!
九州での里帰り出産を予定していた私。広島から地元の産婦人科までは、新幹線、フェリー、バスを乗り継ぎ最短でも約6時間かかります。陣痛がきてから即連絡したものの、果たして夫は出産に間に合うのか?!
予定日当日、これはもしや出産の兆し?!
予定日どおりに産まれることは少ないとはいえ、やはり多少意識はしてしまう出産予定日当日。まだ夜も明けない午前4時ごろ、いつもより少し強いお腹のハリを感じて目を覚ましました。トイレに行くと、少量の出血が。「これってもしかしておしるし…?」と思い、念のため夫にも連絡をしておくことに。「今から向かおうか?」と返事がありましたが、おしるしが来てから出産までは個人差があるようなので、早まってしまってもいけません。当日は午後に定期健診の予定もあったため、先生の診断を聞いてから改めて連絡することにしました。
昼を過ぎたころから、今度はだんだんとお腹が規則的に痛むようになりました。痛みの感覚が10分、7分と短くなっていき、5分間隔になったところで産婦人科を受診。診てもらうと子宮口が3cmほど開いており、そのまま入院することになりました。「本当にこれから産むんだ…」と実感もないまま、このタイミングで再度夫に連絡を入れました。時刻は16時前、「今日中に産まれるかな?」とどこか他人事のように考えていました。
産院までは最短でも6時間…間に合う?
広島から産婦人科までは、新幹線やフェリーを乗り継ぎ、レンタカーを走らせ、最短でも約6時間かかります。待ち時間を考慮すると、それ以上かかることも大いに考えられます。また、車に乗るころは日も落ちているだろう時間帯、慣れない土地で焦りながらの車の運転も心配です。「今日中には産まれないだろうから明日ゆっくり来てくれたらいい」と夫に伝えましたが、「どうせ落ち着かないから、間に合わなくてもいいからとりあえず向かう!」とのこと。とりあえず産婦人科の住所と電話番号だけ改めて伝え、あとは本人に任せることにしました。
初産は時間がかかることが多いとはいえ、陣痛から出産までは人それぞれ。夫は「間に合わなくてもいい」と言っていたけど、せっかく来てくれるのだからやはり産まれてすぐのわが子を抱っこさせてあげたいという気持ちもあります。果たして無事に間に合うのか、少しソワソワしながら待つことになりました。
新幹線に乗り、船に乗り…ようやく夫が到着!
陣痛室に入ってから約5時間、お腹の痛みも徐々に強くなり、もはや夫の心配どころではなくなっていました。母が夫と連絡を取り合い、「新幹線を降りたみたいだよ」「今フェリーに乗ったみたいだよ」と随時教えてくれてはいましたが、返事をする余裕もありません。正直なところこのときには、夫が間に合うかどうかよりも、早く産んで痛みから解放されたいという気持ちの方が大きかったです(笑)
今が何時かも分からず痛みと闘っていたころ、ようやく夫が到着!本当なら「遠いところお疲れさま」と労いの言葉をかけるべきだったのかもしれませんが、このときばかりは自分のことで精一杯です。母とバトンタッチして腰をさすってもらい、水分補給を手伝ってもらい、休む間もなく動いてもらいました。そんなこんなで夫が到着してから約1時間、夜も更けた23時半ごろ、無事に娘が誕生しました。分娩室の外で待っていた夫もすぐに中に入り、産まれたてのわが子とご対面。「パパが来るのを待って出てきてくれたんだね」という助産師さんたちの言葉に、うれしそうにしていました。
夫婦で事前に打ち合わせはしておくべし!
出産後入院室に戻り、落ち着いてから話を聞くと、夫は出張で山口に来ていたのだとか。新山口駅にほど近い場所で仕事をしていたため、連絡を受けてから比較的すぐに新幹線に乗ることができたようです。また、おしるしの件も聞いていたため、いつでも向かえるように仕事のスケジュールも少し減らしていたようでした。
出産予定日当日でなんとなく心の準備をしていたこと、出張で山口まで出ていたこと、ちょうど仕事がひと段落ついたタイミングだったこと、新幹線やフェリーの乗り継ぎもうまくいき移動中の待ち時間がほとんどなかったこと…。わが家の場合、こういったいくつかの幸運も重なり、夫は無事に出産に間に合うことができました。少しタイミングがずれていれば、間に合わなかったかもしれません。
今でも夫は、「新幹線やフェリーで移動中の不思議な気持ちはなんとも表現できない」とときどき話します。「間に合わなくてもいいと思ったけど、やっぱり誕生の瞬間を近くで見届けられてよかった」とも。もし2人目を産むとなってもまた立ち会えるよう、病院までのルートや乗り物の時刻表、どのタイミングで連絡するかなど、事前に打ち合わせをしておこう、と夫婦の間で決めました。
心の準備をして、赤ちゃんの誕生を待とう
生産期を迎えると、いつ産気づいてもおかしくないと言われます。特に立ち合い出産を希望している方は、いざというときに焦ってしまうことがないよう、病院までどう行くか、仕事中だったらどうするかなど、夫婦である程度話し合っていた方が安心かもしれませんね。
担当ライター