臨月で逆子に!不安を感じる間もなく迎えた妊娠後期~出産を振り返って
私の息子は、臨月で逆子になりました。かなり珍しいケースですが、全くないとも言い切れません。大切なのは、妊娠後期で逆子が治らなくても、急な帝王切開となっても、焦らず出産を楽しんでほしいということ。赤ちゃんの産声を聞いたら、そんな不安は一気に吹き飛んでしまいます。今回は、逆子が分かってからの不安な日々と出産後に感じたことについて、みなさんにご紹介します。
臨月になるまで順調すぎたマタニティ生活
今思えば、妊娠6ヶ月まで仕事をしていた私は、ひどいつわりに悩まされることもなく、お腹の赤ちゃんもすくすくと育ち、比較的悩みの少ない妊婦だったように思います。妊娠7ヶ月に入ってからは、地元に里帰りして出産に備える日々。検診の際にも特に問題がなかったため短時間で済むことが多く、心のどこかでは「このまま出産を迎えるんだろうな」と安心しきっていました。
ただ、出産が近づくにつれて言われるようになってきたのが、体重管理のこと。私が通っていた地元の産婦人科は体重管理に厳しく、「これ以上体重が増えると、帝王切開となるリスクが高まりますよ!」と検診の度に言われていました。理由としては、体重が増えすぎると産道に脂肪がつきすぎて、赤ちゃんがなかなか通ってこられなくなるからとのこと。この説については、体重が増えても自然分娩となった方もいれば、体重は抑えたのに帝王切開になった方もいるため一概には言えません。ただ、この頃の私は、あまりに言われ続けたことで、「帝王切開は良くないこと」という意識が芽生えることに。体重のことを言われる度に、「帝王切開にはならないようにしないと…自然分娩で産みたい!」と、強く思うようになりました。
臨月を迎える直前の夜、我が子が逆子に!
妊娠周期も進み、いよいよ明後日には臨月に入るという夜のこと。お腹の中の息子がかなり激しく動き出しました。「苦しいのかな…」と不安になるほど、激しい動き。なかなか収まることはなく、気がついたら眠ることなく朝になっていました。もともとお腹が波打つほど元気に動いていた我が子だったため、「きっと大丈夫なはず」と思いながらも、「早く検診で見てもらいたい」という不安な気持ちが消えませんでした。
そして、いよいよ迎えた臨月最初の検診の日。
エコーを見た先生が「あれ!?」と驚いた様子です。なんと、これまで頭位だったはずの赤ちゃんが、突然逆子に…!何度も先生に確認してもらいましたが、間違いないようです。我が子はお腹の中でかなりの大きさに成長しているにもかかわらず、まぎれもなく逆子になっていました。
このときの私はというと、頭の中が真っ白の状態。「逆子は妊娠後期になるまでには治る」というのは、まだお腹の中に赤ちゃんが動くスペースが残されているから。では、臨月で逆子になった場合は…?3Dエコーで見る赤ちゃんの表情は、スヤスヤと心地良さそうで、「もう、動かないよ」と言っているようにも見えます。このまま逆子が治らなかったら、帝王切開に…。これまでが順調すぎた私にとって、先生の慌てた様子はかなり不安をかきたてるものでした。
病院も決まらず逆子も治らず不安な日々
「私が太り過ぎたからかもしれない」と、自分のこれまでの緩んでいた気持ちを責めずにはいられなかったこの頃。しかし、臨月で逆子になった私は、のんびりと逆子体操をしている暇はありません。いつ生まれてもおかしくない状況の中で、次の行動に移らなくてはなりませんでした。
まずは、帝王切開の処置が可能な病院探しから。検診の次の日、早速、家から近い総合病院に向かいました。しかし、病院に到着して告げられたのは、「空きがなく手術の予約が取れない状況です。別の病院に行ってください」とのこと。忙しい年末の時期に加え、田舎で総合病院が少ないこともあって、手術のスケジュールは既にいっぱいでした。まさか断られるとは思っていなかった私は、心配そうな親といっしょに別の病院に向かうことに。しかし、2件目の総合病院もなかなか空きが少なく、手術が唯一可能なのは明後日しかないという状況でした。
臨月に入ったばかりの私にとって、”明後日”というのはかなり急な話。「これから、ゆっくり入院準備していこうかな」とのんびり構えていた私は、出産に向けてまったく心の準備ができていなかったのです。その日のうちに入院した私は、病院でも逆子体操を続けながら、手術の日を待つことになりました。
出産を終えて感じたこと
結局、逆子は治ることなく、息子は帝王切開で産まれることに。病院にいる間、考える時間がたっぷりとあった私は、手術を迎えるまでにある1つの考えに思い当たります。それは、「逆子の方が息子にとって居心地がいいんだな、それで帝王切開になるならそれでもいいかな」ということ。これは、入院中の主治医の先生に言われた言葉です。
「逆子が良くない」「帝王切開が良くない」という固定観念に、余計なストレスを感じてしまうママは多いですよね。私も、そのうちの一人。逆子と告げられた直後は、不安すぎて「帝王切開」をネットで検索せずにはいられませんでした。ただ、出産を終えた今では、逆子であっても、帝王切開であっても特に変わりません。
今思えば、息子があの夜、窮屈なお腹の中で激しくひっくり返ったのは、何か意味があったように思えてならないのです。結果的に、小児救急対応もある総合病院で安全に出産できたこと、予定帝王切開だったために夫が広島から駆け付けられたことなど、「帝王切開で良かったかもしれない」と思えるほどです。あるいは、人一倍痛みに弱く、陣痛に怯えていた私を心配して、頑張って逆子になってくれたのかもしれないですね。
「逆子は妊娠後期で自然と治ることが多い」という説は、聞いたことがある人も多いはず。多くの逆子に悩むママたちにとって、まさに「心のよりどころ」のような言葉ですよね。ただ中には、私のように臨月で逆子になるという珍しいケースも。逆子を戻す日数もかなり少ない中で、大きな不安に襲われる人が多いかもしれませんが、赤ちゃんが元気に生まれてきてくれれば問題ないですよね。できることなら、「帝王切開は良くないこと」と思い込んでいた私に、元気に生まれてきた我が子の姿を見せに行きたいくらいです。
臨月で逆子と分かり、不安で押しつぶされそうな方へ
妊娠後期で逆子が治らなくても、帝王切開になったとしても、たった一度の我が子との出産。かけがえのない経験であることに違いはありません。喜びにあふれた素敵な出産の瞬間を、ぜひ楽しんで欲しいと思います。
担当ライター