子育て中の今しか聞けない!子どもの「コトバ」をメモするようになったワケ

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子育てしていると、子どもの何気ない一言にハッとしたり、思わずクスッとなったりすることがよくあります。私は専用の小さなノートを手元に置いて、子どもが口にした印象的な「コトバ」を、忘れないようにメモに書きとめています。時々後から読み返し、そのころのことを思い出して楽しんでいます。

子どもは意外な発言や行動がいっぱい!

長男が1歳になったころ、たどたどしい口調でおしゃべりする様子がとてもかわいらしく、「録音(録画)しておきたい!」と思ったことが何度もありました。しかし、スマホを構えて「今のもう一回やって!」と頼んでも、子どもには通用しません。かわいい発言が、一回限りで消えていくのを何度も経験するなかで、なんとか片言の「コトバ」たちを残しておく方法はないかなと思っていました。
そんなとき、ふと昔読んだ、山口県出身の詩人・金子みすゞの詩集『南京玉』を思い出しました。幼い一人娘が口にした言葉を、母親である金子みすゞが手帳に書きためていたもので、娘さんが形見として大切に持っていたのだそうです。カタカナで書かれた言葉はどれもかわいらしく、行間から愛情が伝わってくる素敵な詩集でした。
「南京玉」とはビーズのこと。愛娘が口にした一言一言を、小さなビーズに例えた表現だそうです。詩集の冒頭で金子みすゞは「尊いものではないけれど、それを糸につなぐのは、私にはたのしい。この子の言葉もそのやうに、一つ一つが愛らしい。人にはなんでもないけれど、それを書いてゆくことは、私には、何ものにもかへがたい、たのしさだ。」と書いています。
この『南京玉』のように手近なメモ帳に書いておけば、その場ですぐに記録できるし、スマホのようにデータが消える心配もなく、手元に置いておけます。早速小さなノートを買って、リビングの本棚に常備しました。

日記は続かないけど、メモなら気軽♪

以来、子どもが何かかわいい発言をすると、そのノートをサッと手に取り、メモするようになりました。日付と子どもの年齢(○歳○ヶ月)を書き、「しゃべったまんま」を書きます。ときには、絵日記感覚で簡単なイラストをつけ、そのときの状況や雰囲気を残すようにしました。

ときには空の月を見上げて「なんでおつきさま、○○くんについてくるん?」と疑問を持ったり、またあるときは「おかーさん、かぶとむしおったよ」とタンスの陰から顔を出したゴ○ブリを指さしたり(カブトムシ?どれどれ、ギャ~!!という展開に…)。子どものコトバはユニークなものばかりで、メモの材料には困りませんでした。

実はそれまで、「授乳記録」も「育児日記」も数ヶ月でやめてしまうほど、三日坊主だった私。「子どもが面白いことをしゃべったときだけでいいや」と気楽に考えていたおかげか、(細々とですが)長く続けることができました。
日付と年齢を書いておいたので、後から読み返すと、わが子の言葉の発達プロセスをたどることができ、いろいろな発見があります。子どもがかわいい発言をするピークは2~3歳であること。4歳を過ぎると一気にボキャブラリーが増え、5歳くらいになると頭のなかで文章を組み立てられるようになること。それにつれて「かわいいコトバ」が急速に減ってしまうこと…などなど。実際、長男が4歳を過ぎたあたりから目に見えてメモの回数が減っていき、5歳になるとほとんどメモがないという状態に…。少しさびしいですが、これも成長の証しなのかもしれません。

後から読み返したら、懐かしすぎる!

長男が6歳のとき、次男が誕生。もうじき2歳の誕生日という今日このごろ、さかんにおしゃべりするようになりました。そこで、すっかり記録が止まっていたノートを再び開き、長男の記録に続けてメモを再開しました。同じ月齢だったころの長男のページを見返すと、「この時期は、もうこんなことしゃべってたんだな~」とか「初めて『○○するけえ』と広島弁を話したのは、2歳のころか~」などと分かり、参考になります。
次男も、そのうちきっと「おかーさんきらい!」とか言い始めるんだろうな。自分のことを「○○くん」ではなく、「オレ」って言い始めるのはいつかな。そんなことを考えながら、今もメモを続けています。

今しか聞けない「コトバ」を残したい!

子どもの成長記録を残す方法は、いろいろあります。最近は便利なアプリがたくさんあり、スマホがあれば写真や動画、文章や音声まで、まとめて管理できるようになりました。

そんな時代に、あえてノートに手書きというアナログな方法を選んだのは、ずっと手元で物理的に所有しておきたかったから。子どもの写真や動画のデータも大量にありますが、デジタルだけに、消えてしまうリスクがつきものです。手書きのノートは、その「保険」でもあります。
子どものかわいい「コトバ」が聞けるのは、せいぜい数年間だけ。成長してしまうと二度と聞けないコトバの数々を、これからもノートに書き残しておきたいと思います。

かわいいコトバは、子育ての楽しみの一つ

「早くしなさい!」と怒ってばかりいた私に、当時4歳の長男が涙目になりながら「おこったらだめ。○○くんできるけど、おそくできるんだよ。」と答えたメモが残っています。これを読み返すたびに、子どものいじらしさに胸がいっぱいになり、同時に短気な自分を反省しています。子どものコトバはシンプルですが、ときどき本質をついていて、ドキッとすることも。今しか聞けないコトバをメモしながら、子育てを楽しみたいと思います。

担当ライター

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