外れるのは一瞬!子育て中に気を付けたい子どもの「肘内障(ちゅうないしょう)」とは?
肘内障というものを知っていますか?子育て中に気を付けたい、子どもに起こりやすいケガのひとつです。今回は、1歳半~3歳8ヶ月の間に、合計4回も肘内障になった息子を持つ私の体験談を紹介します。
肘内障ってどんな状態なの?
肘内障とは、俗にいう「肘が抜けた」状態のこと。
関節面の一部だけが接触している、「亜脱臼」という状態に分類されるようです。
肘内障になった子どもは、
◆痛い方の腕を使わない
◆触られると嫌がる
◆腕がダランと垂れる
◆腕が内側を向く
などの様子が見られるのだとか。私の息子も、肘内障になったときは上記すべてに該当していました。
もし腕を痛がるときは、上記で当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
肘内障になる原因って何?
「特定非営利活動法人 日本小児外科学会」によると、肘内障の典型的な原因は
◆手をつないで歩いているとき
◆転倒を防ぐために思わず手を引っ張ったとき
とされています。
また、ひとり遊びや友だちと遊んでいるときになることもあるようです。
歩き始め~5歳くらいまでに発症することが多く、特にじん帯がしっかりしていない1歳~3歳の幼児に多いのだとか。
5歳~6歳ごろになるとじん帯が強くなってくるため、再発しにくくなるようです。
ただし、1度肘内障を起こすと、その後繰り返すこともあるようなので、治療後しばらくは手を強く引っ張らないよう気を付けましょう。
肘内障が疑われたらどうすれば良いの?
肘内障の多くは自然に元の状態へは戻らないため、治療が必要になります。
肘内障が疑われる場合は、整形外科を受診しましょう。
整形外科では、亜脱臼した関節を元の状態にする処置である「整復」が行われます。
整復は、麻酔をかけずに短時間で行える割と簡単な治療。終われば、子どもはすぐに肘を曲げ伸ばしたり、手先を使えたりします。
肘内障が起きた状況によっては、子どもに多い鎖骨骨折がないか確認するために、レントゲン撮影をする病院もあるようです。
3歳8ヶ月までに合計4回!息子の肘内障エピソード
私の息子が肘内障になった合計4回について、シチュエーションとそのときの対応を紹介します。
【1回目】1歳半のとき(屋外)
息子が初めて肘内障になったのは、1歳半のときでした。義実家に遊びに行き、近くの大きな公園内にある小高い丘に家族3人で登っていたときのこと。
息子が夫の手を振り払って危険な方へ走り出そうとしたため、とっさに夫が息子の右手をつかんだはずみでした。痛みに強い息子が、肘を指さして「うわぁ~ん!」と大声で泣き出したのです。
右腕を少し触ると痛がり、肩から下をダランとさせていました。
すぐに義母に電話し、教えてもらった近くの整形外科を受診。レントゲン撮影で骨に異常がなかったため、医師に肘を整復してもらい元通りに!このとき、初めて子育て中に気を付けたいケガ、肘内障について知りました。
【2回目】2歳半のとき(屋外)
続いて肘内障になったのは、息子が2歳半のとき。その日は、リニューアルした広島駅北口を息子と2人で散歩。新しく入ったお店より、息子は外のロータリーにあるタクシーやバスに夢中でした(笑)。
しばらく乗り物を眺めた後、お昼時になったため「おうちに帰ろう」と促すも、息子は断固拒否。
「バスに乗りたい~!」と駄々をこね、息子が手をつないだまま外側に倒れ込んだ瞬間でした。
息子の手首周辺で「コキ!」っという音が……。嫌な予感がして息子を見ると、また肘をさすりながら泣いていました。
「ここ痛い?」と尋ねると、「うん……(涙)」という答え。すぐに近くの整形外科へ行き、レントゲン・整復のコースを受けました。
【3回目】3歳7ヶ月のとき(屋内)
3歳7ヶ月のときは、通っている体操教室で肘内障になっています。
教室に送り届けて1時間後、先生から着信。電話の内容は、「普段痛みに強い息子さんが、肩をダランとさせてずっと泣いていて……」というものでした。
慌てて駆けつけると、息子は泣き止んでいましたが、確かに左に比べて右肩が落ちている様子。右手もまったく使えていませんでした。「大型のブランコに寝そべっていて、下のマットにコロンと落ちたときに痛みを訴えた」とのこと。
このときも、すぐに病院受診して整復してもらいました。「肘に体重が掛かったはずみで外れたのだろう」というのが、医師の見解。
さらに、「手を引っ張る・肘をひねるという動作は注意して」という説明を受けました。
【4回目】3歳8ヶ月のとき(場所不明)
息子が直近で肘内障になったのは、3歳8ヶ月のとき。体操教室で肘内障になった、すぐ後のことです。
幼稚園に迎えに行ったとき元気がない様子だったため、しばらく息子を観察。左肘を指さして「痛い」と言っていたのですが、これまでと違って指を動かしたり腕を少し上げたりできていました。
そのため、最初は肘内障ではないと勘違い。ところが、息子はやはり左腕に違和感がある様子だったため、状況確認のため幼稚園に電話しました。
幼稚園の先生によると、「帰る直前まで、激しく動き回っていた」とのこと。とりあえず整形外科を受診したところ、やはり肘内障という診断でした。
原因と対策を知って、肘内障に備えよう!
肘内障は、子育て中に経験する人の多い子どものケガ。ふとしたはずみで、すぐに肘が外れてしまうようです。子どもと手をつないでいるときは、腕を強く引っ張らない、ねじらないことが鉄則!気を付けていても「肘内障かな?」と思ったら、整形外科への速やかな受診がおすすめです。
担当ライター