妊娠中は想像していなかった痛みで恐怖した授乳タイム
初めての妊娠・初めての出産を経て、今度は初めての育児が始まります。妊娠中はお腹にいる我が子の健やかな成長を祈り、出産することがとりあえずの目標。その後に続く育児の想像がまったくできていませんでした。しかしやってみてビックリ!まさか母乳での授乳がこんなに恐ろしいとは思いませんでした!そんな、初めての授乳で流血した私の体験をお届けします。
初めての授乳で出血!娘のお口が怖い
初めての妊娠・出産を経て、どきどきしながら我が子(娘)を抱いた瞬間、幸福で幸福で私の頭のなかには宇宙とかお花畑とかそんな世界が広がりました。この子のためなら何でもできる!と確信しました。あの恐怖の瞬間が訪れるまでは……。
分娩台に横になったままの出産後すぐ、助産師さんに初めての授乳をすすめられました。よくわからないままに娘の口に乳首を当ててみましたが、当然まだ母乳が出る兆しもなく、形だけの授乳でその日は終了。
しかし翌日からは本格的な授乳が始まります。私の母乳は出る気配すらありませんでしたが、まずは挑戦してみることに。咥えさせてみると娘が懸命に吸うせいか、少し痛みを感じ始めます。「初めて母乳が出るときってこんなものかな」と思っていたのですが、あまりに痛いので娘の口を離すことに。…が、離れません!吸盤のようにくっついています。焦って指を唇の間にねじ込んで外してみると、娘が口から血をたらりと垂らしているではないですか。「ギャー!娘のお口が吸血鬼に!!」。
はっとして自分の胸を見ると乳首から流血していました。
左右どちらも流血
結局、産院では出血していないほうの胸から授乳しましょうと言われ、素直に従っていたのですが、その日のうちに左右どちらの胸も流血してしまう事態になりました。先生曰く、私の主な出血原因は、赤ちゃんが母乳を飲むのが下手なのと、初めての母乳は乳首が固くて出にくいから、とのこと。
とりあえず乳頭保護器をGET
母乳での授乳がぜんぜん進まないままに退院の日を迎え、帰宅することに。乳首が傷だらけになった私は退院する前にネットで検索して、「乳頭保護器」というものを実家の母に頼んで買ってもらいました。
「乳頭保護器」は薄いシリコンでできた哺乳瓶の乳首のような形をしています。それを乳首にかぶせて授乳をすれば、乳首の傷がガードできると聞いて「これは心強い」と期待していました。
乳頭保護器を使うと咥えてくれない
しかし、結果は惨敗。乳頭保護器の感覚が嫌いなのか、装着すると娘は嫌がり咥えてくれませんでした。そこで泣く泣く乳頭保護器にバイバイ。傷だらけの乳首で勝負するしかないと決心して娘に授乳していましたが、相変わらず母乳の出が悪く、更にはパンパンに胸が張って乳腺炎に。「もう母乳は諦めたほうがいいのかも」とミルクでの授乳を行うことが増えて弱気になっていきました。この時点で産後8日ほどが経過していました。
早めがおすすめ!母乳マッサージ
知人に母乳の状況を話すと、「今すぐに助産師さんに母乳マッサージを受けるように」と強くすすめられ、知り合いの助産師さんの連絡先を送ってくれました。とりあえず連絡してみると、なんとその日のうちに家まで来てくれることに!
広島に母乳マッサージで出張してくれる助産師さんがいらっしゃるとは思っていなかったので、すごくありがたかったです。
ゴッドハンドのおかげで母乳がふき出した!
当然ですが、このときまで私は母乳マッサージなんて受けたことがありません。少し緊張しましたが、助産師さんは慣れた手つきで、マッサージをしてくれます。傷のある乳首なので、多少涙がちょちょぎれる程度には痛かったですが、30分ほど受けたとき、私の顔に水滴が飛んできました。「え!?」と思って見てみると、私の母乳が天高く(実際には50㎝ほど)、ピューっと細い線を描いて飛んでいるではありませんか!
早めの母乳マッサージが鍵
助産師さんの話では、産後すぐに母乳マッサージを受けるのとそうでないのとでは母乳の出がぜんぜん違うとのことでした。どうしても出ないという人もいるけれど、母乳が本来出るはずの人も、時間を置きすぎて出ない状況にしてしまっていることもあると聞きました。すぐに母乳マッサージを受けることをすすめてくれた知人には本当に感謝しています。
恐怖を乗り越え順調な母乳生活に感謝
マッサージによって母乳が出るようになった私ですが、それからしばらくの間も流血は続きます。流血した際にはすごく痛むので、一時は娘がおっぱいを欲しがる時間が怖くなるほどでした。娘が生まれた瞬間は「この子のために何でもできる」と思ったのに…。情けないなと感じる一方で、「へこたれてたまるか」と奮起して痛みを堪えて授乳に挑んだことを今でも覚えています。
母子ともに苦労した授乳ですが、なんとかひと月ほど続けた結果、何の支障もなく授乳できるようになりました!ここに至るまでには、たくさんの方にアドバイスをいただいたり、助産師さんのお世話になったり娘にも苦労をかけてしまいましたが、結果、順調な母乳生活が送れたことに感謝しています。
恐怖の思い出も宝物
出産すれば自然に母乳は出てくると思い込んでいたので、妊娠中に想定していなかった母乳トラブルにくじけそうにもなりましたが、いつの場面を思い返しても必死に乳首を咥える娘の姿が愛おしく映りました。
今では大きくなった娘ですが、娘の母乳を飲む姿はいつまでも私の大切な思い出となって残り続けるでしょう。ドタバタの母乳生活までの道のりでしたが、それも含めて育児の宝物になっています。
担当ライター