広島っ子の人間模様は大変…小学校で娘が体験したクラスメートとのトラブル

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あまり深く考えず言ったひとことが相手を傷つけることもあれば、相手が何気なく発した言葉で深く傷つけられることもある…これは、大人も子どもも同じこと。今回は広島市内の小学校に通う娘が経験した、クラスメートとのトラブルをご紹介します。

3人グループは難しい…

広島市内の小学校に入学してまもなく、娘は隣の席の女の子と意気投合。出会って一週間ほどで、お互いニックネームで呼び合うほどの仲よしになりました。きっとほとんどのお母さんは、「学校でうちの子、友だちができるかな…」と心配になるのではないでしょうか。ご多分にもれず、私も同じ不安を抱えていたひとり。そのため、娘がそのお友だちと、休み時間にこんな遊びをした、こんなお話をした…とうれしそうに報告してくれるのをホッとした気持ちで聞いていました。

しかし、ほどなく娘の交友関係に暗雲が立ち込めます。クラスで席替えがあり、お友だちと離れてしまった娘。娘に代わってそのお友だちと席を並べた女の子が、いたく彼女を気に入ってしまったようです。

それから、その子は娘とお友だちを引き離そうと、あらゆる手段を使ってきました。娘が喋りかけたときは無表情なのに、お友だちにはニコニコ笑顔で対応する、休み時間に校庭に3人ででかけたら、その子が娘の上履きを遠くに放り投げ、娘が上履きを取りに行った隙にふたりでどこかへ遊びに行ってしまう…。

「なんであの子は私のことが嫌いなんだろうね。私はみんなと仲良くしたいのにな」とため息をつく娘に

「きっと、あの子は〇〇ちゃんともっと仲良くなりたいんだろうね」と答えた私。

すると、「そしたら、あの子は私のことが邪魔だ、って思っているのかなぁ。私はそんなこと全然思ってないのに。仲良くなれたらうれしいのにな」と娘は悲しそうに訴えてきました。

「でもさ、あなたと〇〇ちゃんがふたりですごく仲良くしている姿を見て、あの子はすごく寂しい思いをしていたのかもね。どうしても嫌な気持ちになったら、無理してその子と一緒にいなくてもいいと思うよ」

そうアドバイスすると、「そうだね、ちょっと3人で遊ぶのをお休みしてみる」と娘は言いました。

宣言通り、娘は休み時間は外で遊ばず、本を読んだりお絵かきをしたりして過ごすように。すると不思議なもので、向こうから「何してるの」と話しかけてくるようになったのだとか。一旦離れてみることで、うまく距離感を掴めることがある…と娘は身を持って体感したようです。

言い方を間違えると、相手を傷つけるんだよ

続いて、こんなエピソード。これは娘が小学2年生に進級したてのお話です。

算数のテストのとき、隣の席にい女の子が、「ねえ、これであってる?」と娘に聞いてきたのだそうです。そのとき娘は、「テストの答えを教えてしまうと、テストにならない」と思ったらしく、ひとこと「教えてあげない」と言い放って、そっぽを向いたのだとか。

なんてことはない、という口調で私にそのことを報告する娘。その顔はむしろ誇らしげにすら見えたのが引っ掛かりました。

「ん~…その言い方は、よくないと思うんだけど…どうかな?」と私が答えると、娘は「どうして?」とびっくりしたように尋ねてきました。

「だって、もしその子が本当にわからなくて、とても不安で心細い気持ちであなたに聞いてきたならどうする?聞くのにものすごく勇気をふりしぼったのだとしたら、どうする?教えてあげられないのなら、なぜ教えてあげられないのかをきちんと伝えるべきじゃないかな」

黙って私の話を聞いていた娘の両目から、ポロポロと大粒の涙がこぼれました。

「どうしよう、私、ものすごく意地悪なことをしちゃった…」

そう言ってしくしく泣き出す娘。

「言い方って、すごく難しくて、気をつけないとすごく嫌な言葉に聞こえることもあるんだよ。『自分が言われたらどう思うかな』というのを考えてから言葉を言うのがいいんじゃないかな」

という私の言葉を泣きながら聞いていた娘は、ボールペンで左の手のひらに何かをかきはじめたのです。のぞいてみると

「あした、〇〇さんにあやまる」という文字が。

娘は「こうしておけば、忘れないでしょ」とボソッとつぶやきました。

やられたことは2倍に、やったことは半分に

先日PTA総会で、校長がとても興味深い話をしてくださいました。

「子どもは主観でものを考え、伝えてきます。そのため、『学校で何か嫌なことをされた』という報告は、事実の倍ほどに脚色して、『学校でお友だちに嫌なことをした』という報告は、事実の二分の一程度に過少に報告します。そのことをどうか覚えておいてください」

なるほど、うちの娘の言動を思い起こしても、ちょっとぶつかっただけでも「押された。痛かった。あのままこけていたら大変なことになっていた」などとえらく憤慨して報告してきます。

そのくせ、お友だちとぶつかって、相手が泣いてしまったら、「ちょっとぶつかっただけなのに、泣いてしまったから困った…」などと報告してきます。校長先生のおっしゃることも、至極うなずける話です。

ここで大切になるのは、冷静な親の目と助言。

事実、娘がトラブルで悩んでいる…と訴えてきたとき、私の心中は穏やかではありませんでした。

しかし、ここで「あなたはなんて可哀想なの、相手の子はなんて酷い悪い子なの」と我々親が事実確認せずに決めつけてしまうのは、決して子どものためにはならない、と思います。

子どもが傷つき、悲しい気持ちになったことは理解を示す。しかし、そこに至るまでに何かきっかけはなかったか、どうしてこうなったのかをしっかりと分析してあげること。また、我が子だからこそ、悪いことは悪い、と指摘すること。娘が体験したふたつの出来事から、親の私も学ぶことができました。

悩み、傷つき、そして気付く

小学2年生はまだまだ幼く、人間関係のトラブルもさほど複雑ではありません。しかし、素直だからこそ人を傷つけてしまうこともある、まだ幼いからこそ自分の意見や気持ちを押し通そうとする、というケースが多々見受けられます。これから小学校を卒業し、中学、高校…と成長するにつれ、人間関係はもっと複雑になり、もっと深刻な悩みも発生するでしょう。子どもが人間関係につまずいたときに、いつでも手を差しのべ、正しい道へと誘導してあげたい…と広島ママは思う日々です。

担当ライター

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