妊娠中も子育てに無関心そうだった夫が別人に!我が子に会いに毎週末広島‐神戸間を爆走
妊娠中「本当にパパになれるの!?」と心配になるほど、子育てに無関心でパパになる自覚が感じられなかった我が家の夫。そんなちょっと頼りなかった夫に、パパスイッチが発動するまでの道のりを振り返ってみたいと思います。
待望の妊娠!けれど、パパになる実感がまだない夫
うちは妊娠を望んでからもなかなか赤ちゃんを授かることができませんでした。生理が来るたびに落胆し、幸せそうな友人の妊娠報告を受けたときには「なんで私には赤ちゃんが来てくれないんだろう。」と大泣きしたこともありました。
しかし、そんなときに救われたのはマイペースな夫の存在。「きっと赤ちゃんはそんなママの様子を見てくれているから、そのうち来てくれるよ。うちはうちのペースで頑張ればいいよ。」といった言葉を、私が落ち込むたびにかけてくれていました。
そんな想いが通じてか、ようやく私のお腹にも赤ちゃんが来てくれたのです!妊娠判明時は夫もとても喜んでくれていました。それからほどなくしてつわりが来ましたが、「きっと赤ちゃんが頑張ってるんだ!」とあまりつらいと感じませんでした。それほど私の中で喜びが勝っていたのです。
また、両家とも初孫だったため、母や義母は大喜び。名づけの本を送ってくれたり、心音が聞けるアイテムをプレゼントしてくれたり、まわりも私もフィーバーしていました。一方夫は、エコーで少しずつ成長している我が子を見せて「かわいいよね。」って聞いても「?」といった感じだったり、「どんな名前がいい?」と聞いても「女の子なら花子で男の子なら太郎でいいんじゃない?」と適当だったり…。義母から送られた育児本もいつまでも目を通す様子もなく興味なさげ。
もちろん、つわりで苦しんでいる間に家事をしてくれたり、「大丈夫?」と声をかけてくれたりと、いつもの夫のやさしさは健在です。けれど子どもや育児に対して、私と夫の考え方にはあきらかに温度差がありました。「あれ?赤ちゃんが欲しかったのは私だけ?」「まだパパになる実感がないのかな?男の人ってそんなもの?」そんな考えで私は毎日もやもやもや…。
里帰り出産で離ればなれの生活中も、旦那は独り身ライフを謳歌
妊娠前から「出産時には夫に立ち会ってもらいたい」と思っていました。しかし、当時夫の転勤で広島に来ていて、まわりには頼れる人もいなかったため、悩んだ末に実家のある神戸で出産することに決めました。とはいえ、広島から神戸までは新幹線で1時間ちょっと。初産では時間がかかるともよく聞くし、里帰り出産でも立ち合いできるかもしれない!と、淡い期待もありました。
そんななか、切迫気味だったということもあり、妊娠8ヶ月後半に差し掛かった頃少し早めの帰省が決定。離ればなれの生活がスタートしました。夫とは毎晩メールや電話で連絡を取り合っていましたが、仕事後には飲みに行ったり休日は趣味の映画や一人旅に出掛けたりと、なんだかとっても楽しそう…。普段私といる生活ではなかなかできない、独り時間をたっぷり謳歌していました。
一方私は、9ヶ月頃に切迫早産が深刻化し、医師から「トイレ以外立ってはいけない」との指示。この温度差にもさらに私はもやもや。しかも電話で「そろそろ名前決めないと」と言っても、「男の子だから太郎だね。」なんてまだ言う始末。「もうすぐ臨月なのに、まだ言うんかい!どんだけマイペースなんだ!」と心配は募るばかりでした。
ついに陣痛!立ち合い出産希望も間に合わず
そんなやりとりを重ねて37週になった頃の土曜日、朝方になんとも言えないお腹の痛みとおしるしが…。急いで病院で診てもらうと
「うーん、初産だから今日明日かもしれないし、このまま4,5日産まれないなんてこともあるし、なんとも言えないね。」
との診断。夫にそのことを報告すると、
「そっかー。会いに行こうかと思ったけれどまだそんな感じじゃなさそうだし、またそうなったら電話してね。そのときは急いで行くから!」
とのこと。
「いやいや、休日だし普通来るでしょ。妻が心配じゃないのか!」
と一瞬思いましたが、苦言は呈さずにしぶしぶ了承。しかし、本格的な陣痛はその夜11時にやってきたのです。母から夫に連絡を入れてもらい、病院につくとすぐに私は分娩室へ。息子が出てくるときになんとか間に合えばと思いながら、分娩室で一人闘いました。
そして朝方4時前。
大きな泣き声とともに息子は元気に産まれてきてくれました!夫が結局息子と対面したのはそこから1時間後のこと。新幹線がない時間帯だったとは言え、車を飛ばせば3時間半ぐらいで到着します。しかし夫は途中何回かサービスエリアで休憩しながら来たと言うんです。
「眠気と闘っていた…?こっちは壮絶な痛みと闘っていたのに、それぐらい打ち勝って欲しかった…それに愛しい我が子の誕生だというのに。やっぱりマイペースすぎる!」
出産で体力を使いきり、へとへとになりながらも、冷静にそう思わずにはいられませんでした。その後、分娩室から病室へと移動しましたが、お世話になった病院は、初日すぐから母子同室で過ごすことができるところ。か弱い声で泣き続ける赤ちゃんに私はあたふたしながら、抱っこをしたりおむつを替えたりとせかせか忙しく過ごしていました。するとどこからか、「ゴゴゴー!」という大きないびきが…。
なんと、夫が私のベッドを占領し、大の字で爆睡していたのです!「えー!うそでしょ!初めて親子3人の空間になれたのに眠気優先!?しかも子ども泣いているのに!」そこで私は夫がまだパパになりきれていないことを悟ると同時に、これは広島に帰ったら大変だということを覚悟したのでした。
別人ですか?広島に戻るまで毎週末、神戸に会いに来る溺愛ぶりにびっくり!
5日間の入院を経て無事退院し、実家での生活がスタートしました。夫は仕事があったため、結局神戸にいたのは出産した日の日曜日のみ。息子とは1日しかいっしょにいることができませんでした。しかも、初日は抱くのが怖いと抱っこしたのは1回だけ。
「うちの夫はイクメンにはなれなさそう。」「次会いに来てくれるのはいつだろう。仕事も忙しいだろうし、夫のことだからよくて2週間ペースぐらいかな。」そんな感じで思っていました。
しかしそこから夫は、金曜の仕事終わりの足のまま、毎週末最終新幹線で神戸まで会いに来てくれたのです。しかも紙にびっしり書いた名前の候補まで持って来てくれました。これには私もびっくり!
また、息子への接し方や抱っこ、おむつの取り替え方も、最初はぎこちなかったものの次第に上達!会いに来るたび積極的に息子のお世話をしてくれる姿から、夫なりに一生懸命子育てに参加しようとしているのが感じられました。
しかも、平日の会えない日には「今日の写メはまだ?また時間あるときに送って」とお願いしてくるまでに。仕事でも、神戸や大阪の出張を敢えて組むようにするなど予定を調整し、平日もちょこちょこ会いに来てくれました。この短期間での夫の変わりようと、息子への溺愛ぶりは私の母でさえも驚いていたほど。以前の夫からは考えられませんでした。まるで別人!
パパスイッチ起動のきっかけは子どもといっしょに過ごす時間!
後日夫に聞いてみたのですが、やっぱりお腹にいる間はパパになる自覚を持てなかったようです。しかし、実際に息子を抱っこしてみて、触れ合う時間が長くなるにつれて自分でもフツフツと父性というものが湧いてきたのが分かったとのことでした。
親になるんだ!という自覚を持てたスタート地点は二人違いましたが、マイペースな夫もしっかりパパになってくれました。ネットで見るとこれはよくある話のようで、体の変化を直に感じる女性はママスイッチの発動が早いようですが、男性側はそうではないので子どもと触れ合う時間の中で自覚が芽生えることが多いのだそう。初めての妊娠で私も気負いすぎていたような気がします。もっと夫のことを理解してあげればよかったなと少し反省…。
けれど、やっぱり夫のマイペースぶりに、イライラしてドッカーンとなってしまうことは今でもよくありますけどね(笑)。
長い目で見てあげることが大切
親モード起動のスイッチが、どこで入るのかは人それぞれ。ただでさえ気持ちが不安定になってしまう妊娠期間。「もっと親になる自覚を持ってほしい!」と不安になる気持ちもよく分かります(笑)。が、うちの夫のように実際に子育てするなかでパパスイッチが入ることも!その日が来るまで、長い目で見てあげてくださいね。
担当ライター