妊娠後期にトラブル発生!?ならないように気を付けたい妊娠高血圧症候群の体験談

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妊娠高血圧症候群という病気を知っていますか?妊娠中や出産時のトラブルを避けるためにも、ならないように気を付けたい病気のひとつです。今回は、私が妊娠後期にかかったこの病気と、発症前の様子やどのような出産になったかなどを紹介します。

妊娠高血圧症候群ってどんな病気?

妊娠20週~出産後12週までに高血圧となる病気で、妊婦さんのおよそ20人に1人の割合で起こると言われています。
妊娠高血圧症候群になると、母子ともにさまざまなリスクが高まるため、妊娠中に注意しなければならない病気のひとつなのです。
具体的には、公益財団法人日本産婦人科学会によると、妊娠高血圧症候群は次のように定義されています。

下記の1または、1と2の両方が見られる場合。
1.高血圧

収縮期血圧が140mmHg以上(重症では160 mmHg以上)、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上(重症では110 mmHg以上)になった場合

2.蛋白尿
尿中に蛋白が1日当たり0.3g以上出ること(重症では2g以上)

私の場合は、妊娠37週以降に上記の1と2の両方を発症していました。

どうして妊娠高血圧症候群になってしまうの?

結論から言うと、2018年現在で妊娠高血圧症候群の原因ははっきりと分かっていないそうです。
さまざまな研究が進められているそうなので、早く明確な結論が出ると良いですね。
また、先ほど紹介した公益財団法人日本産婦人科学会によると、下記に当てはまる人は、この病気になるリスクが高いとされています。

1.糖尿病、高血圧、腎臓病などの持病がある人

2.肥満の人

3.母体の年齢が40歳以上の人

4.高血圧の家族がいる人

5.双子などの多胎妊娠の人

6.初産婦

7.妊娠高血圧症候群になったことがある人

私の場合は、4と6が当てはまっていました。
また、実母も私や弟を妊娠中にこの病気になっていたのだとか。

さらに、里帰り出産のため地元に帰省してから、生活が一変しすぎたことも、私がこの病気になった原因のひとつではないかと思っています。
私は、産前休暇に入るまで働いていたのですが、通勤や広い職場内の移動で1日に合計7kmほど歩いていました。特に運動を意識していたわけはなく、必要に迫られてその距離を歩いていたため、里帰り後は極端に運動量が減ってしまったのです。里帰りから出産までが寒い時期だったこともあり、外出の頻度も少なかったように思います。
また、慣れ親しんだ実家での生活にリラックスし過ぎ、運動面だけでなく食事管理もおろそかになっていました。

さまざまな要因を思えば、「もう少し規律正しく妊娠後期を過ごして、血圧や尿蛋白の管理をしっかりすべきだった……」と、深く反省させられます。

もしかして……?思い当たる発症前の兆しと見過ごした理由

もうすぐ産休に入ろうかという妊娠31週ごろ通勤中のバスの車内で激しい頭痛・めまい・吐き気に襲われたことがありました。あやうく車内で戻してしまいそうになるのを、冷や汗を流しながら必死にこらえた記憶が残っています。

その頃は、お腹の赤ちゃんが大きくなってきたため、いわゆる後期つわりに悩まされていた時期。胃の不快感や吐き気は、そのせいだろうと思っていました。また、私は肩こりがひどくなると片頭痛の症状が現れるタイプだったため、こちらも「いつものこと」と見過ごしてしまったのです。
さらに、妊婦検診で通っていた産婦人科でも、「妊娠中は良くあること」と先生から言われていました。母子手帳を見返しても、そのときは血圧や尿たんぱくに異常が見られなかったためだと思います。

しかし、「先生がそう言うなら大丈夫なのかも」と安易に思っていた当時の自分へ、「もっと自分の体と向き合って!」と声を大にして言いたいです。

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里帰り出産を希望していたため、妊娠32週からは九州にある地元の病院へ転院しました。

31週まで妊婦健診で通っていた広島市の病院では、

・収縮期血圧:平均90mmHg前後

・拡張期血圧:平均60mmHg前後

と健康的な血圧で落ち着いていた私。
また、尿蛋白もほぼ毎回「-」で問題ありませんでした。

ところが、転院先で受けた妊娠32週・34週・36週の妊婦健診では

・収縮期血圧:平均120mmHg前後

・拡張期血圧:平均80mmHg前後

急に上がってしまったのです。
しかし、私は病院へ行くと緊張してしまうタイプのため、「新しい病院になったせいかな?」と勘違いしていました。また、広島の産婦人科では水銀血圧計でしたが、転院先では自分で腕を入れて測るタイプの血圧計に変わったので、「血圧計の違いも影響してそう!」と思ってしまったせいもあります。
ちなみに、このときはまだ尿蛋白は「-」で、先生からも「血圧の上昇は少し気になるけど、様子見しよう」と言われました。

そして、迎えた妊娠37週の妊婦健診の結果では、

・収縮期血圧:150mmHg

・拡張期血圧:96mmHg

という見たこともない高い数値をたたき出してしまいます
このときも尿蛋白で陽性反応は見られませんでした。しかし、体に浮腫が出て、1週間前の妊婦健診より1.4kgも増加していたのです!

担当の先生から、「今のあなたは、重症の妊娠高血圧症候群に片足を突っ込んでいる状態。体重が増えたのは脂肪ではなくて、浮腫みが原因だと考えられる。全身の血管に負担がかかっていて危険だから、すぐにでも入院しよう!」と言われました。

突然の事態にショックを受けながら、「赤ちゃんは大丈夫なの……!?」と、とても心細くなったことを覚えています。

妊娠高血圧症候群ママの出産~私の場合~

先生からは、「入院は明日の朝イチでOK!」と言われたのですが、不安だった私は「このまますぐ入院させてください!」と志願して即日入院する運びに。
いつ生まれても良いようにと、転院後は妊婦健診のときに入院セットをいつも携帯していたことが役立ちました。

入院して安心したのか、少し血圧が落ち着いてきた私。先生からは、「分娩誘導と言って、まずは人工的な処置で陣痛を促す。上手くいけば自然分娩、状況を見て帝王切開にする」との説明を受けました。

ママや赤ちゃんの状態や病院の方針で多少違うかもしれませんが、参考程度に私の出産までの経過を紹介します。

初 日:「バルーン」と呼ばれる器具を入れて、子宮口を広げる処置

2日目:初日よりも大きなサイズのバルーンを入れて、さらに子宮口を広げる処置

3・4日目:陣痛促進剤の点滴

5・6日目:一時帰宅(病院が休診日のため、処置なし)

7日目:陣痛促進剤の点滴

8日目:陣痛促進剤の点滴、赤ちゃんの体力が弱ってきたため緊急帝王切開

1週間近くバルーンや陣痛促進剤による分娩誘導を頑張ったのですが、最後は緊急帝王切開となってしまいました。
帝王切開が怖くて、妊娠中は「できたら自然分娩したい!」と思っていた私。しかし、赤ちゃんのトラブルを知ってからは「痛くても良いから、すぐに切ってください!」と先生や助産師さんに懇願していました。無事に息子が生まれたときには、分娩方法のことなどどうでも良くなり、ただただ安心したことを覚えています。
お腹に傷があるため、産後の回復には少し時間がかかりました。しかし、産後は大きなトラブルもなく、母子ともに無事退院できたことは、何より幸運だったと思います。

妊娠中は血圧と尿たんぱくの管理をしっかり行なおう!

安心して出産を迎えるためにも、やはり妊娠中の健康管理は大事。体重だけでなく、血圧や尿蛋白などにも注意しながら、健康的なマタニティライフを送ることを心掛けたいですね。

担当ライター

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