【広島の皮膚科医監修】赤ちゃん・子どものあせも対策はどうする?

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今年の夏は特に暑さが厳しいため、赤ちゃんや子どもが汗をかきやすく、「あせも」の症状に悩んでいる方も少なくないはず。「あせもの部分がかゆいみたいでかわいそう」「赤ちゃんの肌には薬を塗っていいのか心配…」とお悩みの方のために、今回は広島の皮膚科の先生に聞いた、あせもの正しいケア方法や対策についてお伝えします。ぜひ、あせも対策の参考にしてくださいね。

監修:YAYOI CLINIC 河野貴子医師(日本皮膚科学会所属)

どうして子どもはあせもになりやすいの?

そもそも「あせも」とは?できやすい部位は?

汗の量が多いと、汗の通り道である「汗管(かんかん)」に汗が詰まってうまく排出できなくなり、皮膚内にたまってしまいます。その結果、皮膚がかゆくなったり、プツプツとした湿疹が出たりします。これが「あせも」と呼ばれる皮膚トラブルです。医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれています。 できやすい部位は、顔やひじ・ひざ関節の内側、首、背中、腰回り、おしりなど。特におむつを履く赤ちゃんは、おむつで覆われている箇所全体が汗で蒸れやすく、あせも(おむつかぶれ)になりやすい状態です。 子どもは大人よりもあせもができやすいとされていて、その理由は大きく分けて2つあります。

子どもがあせもになりやすい原因①代謝が活発

1つ目は代謝が活発で汗をかきやすいこと。一度にたくさんの汗をかくことが多いため、あせもができやすい傾向にあるのです。

子どもがあせもになりやすい原因②大人と比べて皮膚が薄く外部の刺激に敏感

2つ目の理由は、子どもの肌は大人に比べてデリケートで刺激に弱いこと。汗や汚れなど外部の刺激に敏感なので、清潔な状態をキープしなければなりません。また、赤ちゃんや子どもは皮膚に少しの違和感があるだけで、患部を搔きむしってしまいがちです。悪化させないためには、このあと紹介する対策をしっかりとチェックしてみましょう。

子どもがあせもになったらどうすればいい?

ここからは、子どもにあせもの症状がみられる場合の対処方法について紹介します。

市販の塗り薬でもいい?

子どもにあせもができてしまった場合は、「かゆみを鎮めること」が大切です。患部を掻いてこれ以上悪化させないために、塗り薬でかゆみを抑えてあげましょう。このとき、市販の塗り薬でも基本的には問題ありません。かゆみの症状には「ジフェンヒドラミン」「クロタミトン」「グリチルリチン酸」などの成分が効くとされていますが、購入の際はパッケージの注意書きをチェックしたり、販売店のスタッフに相談したりするようにしましょう。

掻きむしってしまったら?

患部を掻きむしってしまった場合は、炎症が起こりかゆみや痛みが強く現れる可能性があります。湿疹になってしまい炎症がひどい場合は、ステロイド剤で炎症を抑えたり、抗ヒスタミン薬でかゆみを抑えたりなどの処置が必要なケースもあるので、医療機関を受診するのがいいでしょう。
特に、搔きむしることで細菌感染を起こし「とびひ(伝染性膿痂疹)」となった場合は、早めの対処が必要です。治りの悪い赤い(もしくはウミを持った白い)発疹や、じゅくじゅくした湿疹ができた場合は、それらが広がらないうちに早めに医療機関を受診しましょう。
また、あせもが出ても患部を掻き壊してしまわないように、爪は短く切っておくのも得策です。

皮膚科?小児科?受診の目安は?

子どもにあせも症状が出たときは、皮膚科または小児科のどちらかを受診しましょう。基本的にどちらでも構いませんが、皮膚の症状が強い場合は皮膚科、皮膚以外の症状も伴っている場合は小児科のほうがよいかもしれません。

子どものあせもを予防するには?

最後に、子どものあせもを防ぐために知っておきたい予防策を紹介します。

汗をこまめにふく(こすらない)

あせもを防ぐためには、汗をかいたらこまめにふき取ることが大切です。汗が皮膚に残っていると、かゆみを感じて掻きむしってしまう可能性があります。そのため、こまめに汗を拭き取ったり、洗い流したりして常に清潔な状態を保つようにしてあげましょう。

着替えを頻繁に。通気性のいい衣服を選ぶ

あせもを防ぐためには、身につける衣服も重要です。通気性や吸湿性にすぐれた下着や衣服を使用して、できるだけ皮膚に汗が残らないように対策を。また、汗をかいて服が湿っている場合には、すぐに着替えさせてあげるようにしましょう。

エアコンで快適な室温をキープ

家で過ごすときはエアコンを駆使して、汗をかきにくい状態に保ってあげるのが一番の予防策です。日中はもちろん、寝るときも常に、快適な温度と湿度になるように心がけましょう。

子どものあせもを悪化させないために適切な対策を!

赤ちゃんや子どもは大人に比べて皮膚がデリケートなので、あせもができやすい傾向にあります。かゆみがひどかったり、赤みが強く出たり、ときには悪化して痛みを伴う可能性もあるので、しっかりと対策をしてあげましょう。まずは、こまめに汗をふき取ったり、通気性のいい衣服を身につけたりして、あせもを予防する習慣をつけてみてください。なかなかあせもが改善しない場合や、市販薬を塗っても症状が変わらないときは、迷わずに医療機関を受診しましょう。

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