幼小受験専門家 青木みのり先生に聞く!小学校受験のメリットは?どんな力を伸ばすべき?
9月12日(土)に、配信されたpikabuインスタライブ。幼少受験専門家である青木みのり先生に、小学校受験にまつわるさまざまな疑問や質問にお答えいただきました。
「今まで受験を考えていなかったけど、インスタライブを見て、小学校受験にチャレンジしてみようかな、と思った」「受験生の子を持つママとして、改めてわが子をしっかりサポートしよう!と思えた」など、ママたちから嬉しい声をたくさんいただいた中で、「見逃したから内容だけでも知りたい!」という要望もチラホラ。そこで、今回は、見逃してしまったママのために、青木先生のお話をピックアップしてご紹介したいと思います。
幼小受験専門家 青木みのり先生のプロフィール
幼小受験専門家 青木みのり先生のプロフィールをご紹介します♪
プロフィール:青木みのり(あおき みのり)
幼小受験専門家
MBキッズカレッジ校長
2005年に東京都世田谷にて親子講座を企画・運営する「ママンベビー」をスタートさせ、ベビーマッサージやリトミック、ママゴスペルなどの講座を開催する。2010年ごろより入園準備のためのクラスを始め、幼稚園や小学校入試に向けた指導を本格的に行う幼児教室「MBキッズカレッジ」へと発展させる。ベビー講座から受験指導まで、のべ3万人の親子の指導実績を有する。
毎日のしつけや生活習慣などの保護者向け指導を充実させ、子どもが自分の気持ちをまわりに伝えるための会話指導などに力を入れた結果、MBキッズカレッジは合格率9割以上の人気教室となっている。
「わが子にぴったりの幼稚園や小学校を選びたい」という保護者のために、都内近郊の国私立幼稚園・小学校の特徴、入試傾向、情報などを徹底リサーチし、子ども一人ひとりの個性や発達、気質を総合的に診断するアプローチで学校選びのアドバイスを行っている。
先生に聞いてみた!小学校受験に関するQ&A
では早速インスタライブで青木みのり先生に、質問させていただいた内容をピックアップしてご紹介していきます。
はじめに…受験を考えているママへ
今年の小学校受験は、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で、今までとは異なる点が多々あるようです。東京でも、試験を一ヶ月前倒しにする学校があったり、ZOOMでの面接を行う学校があったり…。
そのため、従来とはまた違ったお受験対策が必要となりそうです。
都内は私立小学校の入試は主に11月上旬ごろ、国立はその後なので、今はちょうど追い込みの時期ですよね。
Q.受験のメリットっていったい?
小学校受験の一番のメリットは、6年間(中高もある場合は12年間)、子どもが育つ場所、学ぶ環境を選べることです。
例えばのんびり屋さんなら、ひとりひとりのペースに合わせてくれる、ゆったりとした学校を選ぶと良いでしょう。または深いレベルで学習したい、という知的好奇心旺盛な子は、色々な学びができる学校を選ぶと良いですね。子どもの発達や好きなこと、得意なことにあった教育方針の学校を選べる・・というのは素晴らしいことです。
また、私立は概ねオンライン授業への対応も早かったようで、今回の新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が出された際も、早々に3月の時点でオンライン授業に切り替えていた私立小もありました。
このように小学校受験はメリットがたくさんありますが、ひとつだけ気を付けてほしいことがあります。親御さんがあまりにも受験に必死になってカリカリしてしまうと、お子さんにプレッシャーがかかってしまい、親子の仲がギクシャクしてしまいます。そうなると、受験が悪影響を及ぼしかねないので、親御さんは余裕をもって子どもに接してあげることが大切です。
Q私立と国立の違いって?
学校のカラーによって変わるので、一概には言えませんが…学費は大きく違いますね。私立と国立、共通しているのは、どちらもある程度教育に関心のある家庭の子どもが集まっていることです。その中で、国立は広く色々なタイプの子が集まります。成績だけじゃなく、総合力が問われているように思います。
Q.小学校の受験、子どもの意思は考慮するべき?
はっきり言って、受験準備のスタート時点で本人に「受験したい」という意思はほとんどないはずです(笑)。なので、ますは親御さんが主導で受験に挑みましょう。
小学校受験をする子どもは5〜6歳ということもあり、まだ人生経験が少ないので、学校の良さを見極めることができません。そこは親御さんの目でしっかりと学校を見て検討していただければと思います。
また、小学校では、保護者が学校行事のお手伝いや役員仕事などに関わる機会も多いので、価値観が合う保護者同士が集まる学校、教育方針がマッチする学校を親御さんのご判断で選ぶとストレスを感じることも少ないのではないかと思います。
もし、お子さんの意思を尊重したい場合は、ある程度、受験準備が進んできて、学校説明会や見学会などの行事を通じてお子さんにも意欲が出てきた頃に「○○ちゃんはどの学校に行きたい?」とお聞きになってはいかがでしょうか。複数の学校を受験して、受かった学校の中からどこに通いたいか?をお子さんに聞いてみる形で、意思を確かめるのもいいかもしれませんね。
Q.面接の際、親の印象はどのくらい重要?
率直に言うと、とても重要です!私立のほとんどの学校は、保護者の面接を取り入れているんですよ。学校側が確認するのは、保護者がどれくらい学校について理解しているか、教育方針は学校と家庭でマッチしているか…。
また、面接では必ずと言っていいほど志望理由を聞かれます。
Q.受験までに子どものどんな力を伸ばすべき?
もちろん、プリントやテキスト、問題集をやっておくに越したことはありません。でも、それ以上に大切なのが問題や指示を聞き逃さない「聞き取り力」と「アウトプット能力」。これができないと、試験問題を解くことができません。
お友達とコミュニケーションをとる中で、どれくらい自分の気持ちを言語化できるか?自分の考えをしっかりと言葉で表現できるか?も重要です。
そのためにはお家で「言語化するトレーニング」を行うことが必須です。
例えば「ママお茶!」でお茶を持って行ってあげるのではなく、「喉が渇いたからお茶をください」というように、自分が今どんな状況で、どうしてほしいか、をきちんと伝えられるように親が促してあげましょう。
自分の気持ちを表現するために重要なのが、語彙数。お子さんとの会話の中で、意識してちょっと難しい単語を挿入するようにしてみましょう。
例えば、「ちまき」や「千歳飴」「こけし」などの日本の伝統や文化にまつわる言葉、「獅子舞」「神輿(みこし)」など・・・そういった言葉も楽しく覚えられるように、その季節ごとの行事や旬の食べ物などは、その都度、名称を伝えてみてください。
毎日の生活の中で、様々なコトやモノについてお子さんに言葉の意味や名前の由来、背景などを説明してあげられると良いですね。
今の子どもたちが社会に出ていくときには、地球温暖化や環境問題など今までにないような大きな問題を周囲と協力して解決していかなければいけません。小学校受験のお勉強は、その答えを導くための種まきとも言えると思います。不思議だと思う気持ちや好奇心、熱中し続ける気持ちを大切に育んであげましょう。
Q.受験をするかどうか悩み中…子どもに受験をどう説明するのがいいの?
受験するかどうかの決断は1日でも早い方が良いです!悩む時間が1日伸びれば、同じ学校を希望するライバルよりも1日出遅れてしまいます。
はじめはお子さんもお勉強だか遊びだか何もわからないままに、パズルやプリントに楽しく取り組んでいただいて、その流れで徐々に説明してあげましょう。年中の11月ごろから、少しずつ本人が小学校受験を意識できるようにお伝えになると良いかもしれませんね。
実際に受験するかどうかは願書を提出する直前まで悩めます。結果として受験をしなくても、受験に向けた知育は、後々必ず役に立つので、受験するしないにかかわらず、やっておいて損はありません。
Q.1歳から保育園の予定ですが、のびのび系の園とお勉強系の園で迷っています。
近年、非認知能力の重要性も見直されており、それに伴って体を使って遊びながら、お友達と言葉のやり取りをして学ぶことが大切だと考えられるようになっています。
私個人としても、0〜3歳くらいまでのお子さんは一旦のびのびさせてあげて、4歳くらいになったら遊びの中で色々なことを学びつつ、知的教育も少しずつ入れていくのがベストかな、と考えています。大切なのは「バランス」ですね。
将来的に勉強系の学校に入れるとしても、とくにまだ幼い3歳くらいまでの間は出来るだけ、
のびのびとした環境で子どもを育ててあげることが好ましいのではないかと思います。
Qタブレット型の教材ってどう思いますか?
目が悪くならないように、またお子さんが疲れないよう配慮してあげるのであれば、ある程度時間を決めて楽しんでやるぶんには問題ないと思いますよ。
Q.受験するかどうかの決め手って?
端的に言うと「親御さんがしたいかどうか」です。小学校は受験しなくても必ず行ける場所、それをあえて受験するというのは、たとえ苦労をしても、その後が実りあると親御さんが思えるかどうかだと思います。
私立は公立と比べると学費は高くなりますが、「学費が高いだけのことはあるよね」という環境が整っています。また、私立小学校から中高大へ進むと、長い時間をご一緒するわけですから生涯の友を得ることができる場所でもありますよね。
それを鑑みて、「大変な思いをしてでも、この学校に子どもを入れてあげたい」と親御さんが思えるかどうか、それが決め手だと思いますよ。
受験するかどうか悩んでいる方は、まず自分の学区の公立学校を見学しましょう。特に1年生と6年生、中学受験が盛んな学区なら5年生の授業も見学してみてください。さらに私立、国立の学校説明会や学校行事にも可能な限りできるだけ参加しましょう。
全ての学校をフラットな目で見てから、どこがいいかを決断すると良いですよ。
最後に受験を控えているご家庭にひとこと
健康には気を付けて、ストレスをためないように日々の生活を楽しんで、お子さんとご一緒に毎日を丁寧にお過ごしくださいね。ファイト!
子どもが楽しみながら取り組める!みのり先生の著書をご紹介
最後にみのり先生の著書をご紹介します!
出典:4歳・5歳・6歳 小学校の勉強ができる子になる問題集 やさしめ – 実務教育出版
『小学校の勉強ができる子になる問題集〜チクタックンと スイーツめぐりの たび〜』
出典:4歳・5歳・6歳 小学校の勉強ができる子になる問題集 – 実務教育出版
『小学校の勉強ができる子になる問題集〜バラキングと ふしぎな きんかの なぞ〜』
みのり先生は現在までに2冊の問題集を出版されています。2冊とも子どもが楽しみながら勉強できる工夫が盛りだくさん!絵本感覚で楽しめるので、プリントや問題集が嫌いな子でも、これなら進んで取り組む…と評判です。「チクタックンとスイーツめぐりのたび」は初期編、「バラキングとふしぎなきんかのなぞ」は難易度が少し高いので小学校1年生でも楽しめますよ。できたら地図に金ピカのシールを貼っていくお楽しみもついています♡
親が教育理念を持つこと!
とってもためになるみのり先生のお話、いかがでしたか?漠然と「いい学校に行かせたい」ではなく、まずは親が教育理念をしっかりと持つことが重要だということがよくわかりました。
みのり先生、今回はためになるお話をどうもありがとうございました♡
担当ライター