尾道・松永湾の干潟再生活動の様子をご紹介!豊かな海の復活を目指して

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広島県尾道市といえば観光地として有名ですが、その東側にある松永湾に広い干潟があることはご存知でしょうか?実は今、松永湾では地元の子どもから大人まで巻き込んだ干潟再生プロジェクトが進行中!今回は、2023年10月26日に行われた「アサリ生育場の再生活動」の様子を写真つきでご紹介します。ぜひ美しい干潟の景色と一緒に、楽しい活動の様子をご覧ください♪

潮干狩りスポット復活を目指す!尾道・松永湾の干潟再生活動とは

広島県尾道市の東側に位置する松永湾は、地元民にとって大切な海。広島で育った人にとっては、小さい頃から馴染みのある“ふるさとの海”かもしれませんね。そんな松永湾で今、深刻な状況が続いていることはご存知でしょうか?

かつての松永湾では、広い干潟を活用してアサリ漁が盛んに行われており、地域ブランド“山波のアサリ”の産地としても知られていました。しかし、1990年代以降、アサリの漁獲量が激減。潮干狩り場も閉鎖せざるを得なくなり、すっかり人出が少なくなってしまったそう…。

そこで、豊かな干潟を取り戻そうと10年前から地道に続けられてきたのが、尾道・松永湾の干潟再生活動で、2023年度からは環境省が進めるモデル事業令和の里海づくり」にもなっています。ここ数年で地元の人の手によってますます活気づいているんです!

「令和の里海づくり」では、瀬戸内海のような全国各地の内湾・内海で、生物の生息環境や水質浄化などの保全・再生を進める活動が行われるとのこと。尾道の松永湾でも子どもから大人まで多くの人が関わり、さまざまな活動が積極的に行われている真っ最中なんです。

▼尾道・松永湾の干潟再生活動についてはこちらもチェック!

尾道・松永湾の干潟再生ってどんなことをするの?活動の様子を見てみよう♪

2023年10月26日、尾道・松永湾では干潟再生の一環としてアサリ再生サイトの造成が行われました。「干潟再生ってどんなことをするの?」という方のために、活動の様子をご紹介します♪

「アサリ再生サイトの造成」ってどんな活動?

そもそも「アサリ再生サイトって何?」と思いますよね。アサリ再生サイトとは、アサリの生息地として再生を目指す敷地のこと。アサリがしっかりと干潟に住みつくことで、かつてのような漁場が復活し、地元の人々の生活と密接に関わっていた里海の再生が実現します。

そして、アサリにとって生きやすい環境が整うということは、今の松永湾の課題のひとつである水質も改善するということ!それは海の環境を守ることにもつながります。

尾道・松永湾の干潟再生プロジェクトは、かつての里海を取り戻すだけではなく、パワーアップさせることがゴール。そのためには、アサリがしっかりと育つ環境を整えるのも、重要な活動の第一歩なんだそう。

この日、アサリ再生サイト造成のために集まったのは約30名。「松永湾の力になりたい!」という地元の方々の手によって、干潟にアサリを撒く作業が行われました。

アサリ再生サイト造成は今回が初めてではなく、4年ほど前から地道に続けられてきたとのこと。回を重ねるごとに、干潟に住みつくアサリの数も着実に増えている様子♪

ちなみに、この日の午前中には、『海の豊かさ』というテーマでセミナーも開催されました。セミナー参加者の一部は、引き続き午後の干潟での作業にも参加。この日は、朝から夕方まで松永湾の実態や環境問題について深く考える一日となったようです!

アサリを撒く下準備からスタート♪

アサリ再生サイトへアサリを撒く前に、まずは下準備から。「稚貝(ちがい)捜索班」「干潟作成班」の2班に分かれ、干潟を整える作業が始まりました。

稚貝捜索班が担当するのは、干潟に散布する稚貝の選別作業です。
現在、活動の一環として、松永湾の沖にはアサリの赤ちゃんを育てるための網が沈められています。網の中では、アサリの稚貝がすくすくと成長中。この網の中から、干潟に散布できる状態まで大きくなったアサリを選別し、取り出していきます。

一方、干潟作成班が行ったのは、干潟をならして耕うん機をかける作業。干潟には、前日に牡蠣殻が撒かれていました。
広島県内でたくさん出る「牡蠣殻」ですが、実は、水質を改善する効果があるんだとか…!牡蠣殻を定期的に干潟に撒くことで、生き物が住みつきやすい環境になるんだそうです。

まずは、すでに牡蠣殻が撒かれた状態の干潟を、クワのような鋤簾(じょれん)という道具を使って平らにならしていきます。鋤簾を「普段から使っています!」という人は、そういないはず。きっと参加者にとっては、新鮮な作業の連続だったのではないでしょうか♪

干潟が平らになったら、次は耕うん機の出番です。耕うん機を使って干潟の泥を攪拌(かくはん)するのも水質改善につながる大事な作業。泥の中に酸素がいきわたることで、生き物にとって住みよい環境が保てるそうです。

いよいよ、干潟にアサリを散布!

さぁ、下準備が終わったらいよいよアサリを散布する作業です!
参加者全員で、アサリをどんどん撒いていきますよ~!

「えーい!」と両手を広げて撒く作業は、とても楽しそう!こんなに思いっきり泥まみれになることもそうないので、まるで子どもの頃に戻ったような気分になれそうですね♪

アサリを撒き終わったら、エイなどの食害防止用ネットをかけて、この日の活動は終了。最後は、参加者全員で記念撮影です♪

これまでの活動と比べると、今回は参加者が多かったため、予想以上のハイスピードで作業がはかどったんだとか!みなさんの清々しい笑顔から、達成感が伝わってきますね!10月の干潟はちょうどいい気温。心地よい汗をかき、良いリフレッシュにもなったようですよ♪

なお、今後もアサリ再生サイトの造成活動は定期的に実施されるとのこと。興味のある方はぜひ次回開催の続報をお待ちください。

大人から子どもまで♪みんなの里海・松永湾を地域で盛り上げる活動も!

尾道・松永湾の干潟再生活動は、現地での作業だけではありません。11月24日には地元の山波小学校にて地球温暖化にまつわる「ブルーカーボン」についての出張授業が開催される予定です。

山波小学校で出張授業が開催されるのはこれで2回目。次の授業では環境問題について学ぶほか、干潟再生にも大きく関わる「アマモ」を種から育てる体験をする予定とのこと!出張授業についてはpikabuでも今後詳しく紹介するので、ぜひチェックしてみてください♪

松永湾はかけがえのない広島の里海、まずは知るところから始めよう!

広島で育った方の中には「小さい頃に遊びに行った松永湾が今、そんなことになっているなんて…!」と衝撃を受ける方もいるかもしれません。松永湾の現状は決して他人事ではなく、わが子にふるさとの海を残していくためにも、一人ひとりが自分事として考えていくことが大切です。今回ご紹介した尾道・松永湾の干潟再生活動について知ることも、そのための第一歩。一人でも多くの方が興味を持ち、知ってほしい、そう願っています。

【尾道東部漁業協同組合】

所在地

〒722-0062広島県尾道市向東町12635番地の2

電話番号

本活動に関するお問い合わせは以下までお願いします。

お問い合わせ先:ひろぎんエリアデザイン(株)淺野

        080-9954-7837

担当ライター

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